BizReach Designer Blog

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カイゼンのヒントは全国の採用現場から 〜チームで取り組む地域企業の課題解決

こんにちは、デザイナーの西尾です。

私は、地域活性推進事業部というチームでプロダクトのUXデザインやUIデザインを担当しています。「雇用・採用の仕組みづくりから地域に活力を」というミッションのもと、地域企業の課題の解決に取り組んでいる事業部です。

この記事では、課題の解決に向けて開発している「スタンバイ・カンパニー」というプロダクトの開発プロセスや具体的なカイゼン事例についてお伝えさせていただきます。私たちもまだ道半ばではありますが、いわゆる営業の方やマーケター、エンジニアなど職域を超えてコラボレーションしているひとつの例として、何か参考になれば幸いです。

スタンバイ・カンパニー トップページ

日本中の企業の採用課題を解決したい

現在、地域企業の多くは、下記のような事象や課題を抱えています。

  • 魅力的な求人票を作ることができない
  • 求人募集に、インターネットを十分活用できない
  • 採用にかけられる時間や予算がない
  • 応募がきてもミスマッチし、採用に至らない
  • 採用の知見がたまらず、自走できない

こうした様々な課題を解決するためのひとつの手段として、ビズリーチではスタンバイ・カンパニーというサービスを提供しています。

スタンバイ・カンパニーは、無料で求人掲載ができる採用プロモーションツールで、作成した求人をすぐにインターネット上に公開することができます。自社のホームページからリンクしたり、そのまま採用サイトにしたりしてご利用いただけるほか、求人検索エンジン「スタンバイ」にも掲載されるため、より多くの求職者に求人を届けることができます。

人材採用に困っている地域企業が、自走した採用活動をできるようになってほしいという想いで、日々機能の改善を行っています。

スタンバイの求人検索結果ページ。インターネット中の求人を横断して検索できるなかに掲載されます。

利用者の方と対面してわかること

私たちが取り組んでいる課題は、プロダクトの提供だけでは解決できません。ときには、地域企業と対話しながら課題解決に取り組んでいます。例えば、地方自治体と連携して、求人の作り方がわからない企業向けの「求人作成セミナー」を開催しています。

求人作成セミナーの様子

一般に、企業との接点となるこのような取り組みは、ビジネス開発のチームが中心となって実施しているイメージがあるかと思います。ですが、私たちのチームでは日本の各地で行われるセミナーに、エンジニアやデザイナー、プロダクトマネージャーが同行し、実際にお客様がプロダクトを使っているシーンを見せていただいています。

そのほかに、スタンバイ・カンパニーの利用有無を問わず、求人募集をしている地域企業へ採用活動に関するヒアリングを行うことも。

実際の観察を通じて得られた仮説・課題をもとに機能開発を行うことが多くあります。冒頭に書いた地域企業がもつ課題も、実際に現地でヒアリングをした際に出てきたものでした。

お客様の声をもとに、全員で議論する

セミナーなどでいただいた声は、議論のための貴重な材料としてチーム全体に共有し、プロダクトの方向性を考えたり具体的な機能改善を考えることに役立てています。

普段の開発は1週間サイクルのスクラムで行っていますが、プロダクト全体の方向性をチームで考え、認識を合わせるワークショップを3ヶ月に1度のペースで実施しています。ワークショップは丸1日かけて、企画や営業などを行うビジネス開発のチームとエンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーで構成される実際の開発をするプロダクトチームの全員で行います。

具体的には、デザインスプリントで用いられる「リーンキャンバス」や「カスタマージャーニーマップ」などのフレームワークを用いて仮説を磨いていき、プロダクトの方向性をチームですり合わせます。

カスタマージャーニーを描いている様子

プロダクトを開発するのはプロダクトチームですが、実際にユーザーと接するのはビジネスチームのメンバーが中心です。なので、プロダクトに関わる全員が共通認識をもつことは、とても大事だと思っています。すべてのメンバーが、プロダクトの課題解決のための体験設計やデザインに積極的に取り組んでくれることは、デザイナーとしても、とてもありがたく嬉しいと感じています。

プロダクトマネージャーやビジネスチームのメンバーがどう感じているのか、この機会に聞いてみました。

プロダクトマネージャーの稲田(左)とビジネスサイドでマネージャーを務める知念(右)

ユーザーの本質的な課題がどこにあるか。チーム全体で議論する機会って、意外と普段の業務サイクルのなかでは少ないんですよね。同じひとつのプロダクトを軸にして事業を作っているという共通点はあるんですが、ビジネスチームのなかでさえ、向き合っているステークホルダーやお客様の性質が違うことがあります。

でも逆に、そういった個々の経験や具体的な事例を深堀りしていくことで、共通する本質的な課題やその重要度が浮き彫りになってくるのは有意義だなと思います。みんなが補完しあうことで改めて、自分たちで根拠を感じられる方向性を確認できるのはいいですね。サービス開発を進めていて、ブレそうになったらそこに立ち戻ることができます。

何回か全体でのワークショップを実践してきて少しずつ、その場でどういう議論をするべきか、どういう進め方をしたらよいか、といった認識もそろい、取り組み自体もブラッシュアップされてきています。

実際の声から積み重ねた改善

普段、データ分析ツールなど使って「どの数字を改善したいからこういう施策を打とう」という議論をすることも多いです。しかし、「細かいけれど明らかにユーザーが困っている課題」などは実際に現場を見ないとわからないところもあるので、そういった面で現地でのリサーチは大切だと考えています。

例えば次のような施策は、現地のリサーチをきっかけに改善されたものです。見た目に派手さのあるような機能ではないかもしれませんが、日々使い勝手を改善し続け、積み上げています。3つの事例をご紹介します。

施策1「求人作成、会社概要のテンプレート機能」

スタンバイ・カンパニーの基本的な機能に、会社概要ページや求人ページを作成できるというものがあります。

会社概要ページ(左)と求人ページ(右)

しかし、求人作成セミナーで作業を拝見したり、採用担当者の方にヒアリングしたりすると、「何から書き出してよいかわからなくて手が止まってしまう」という事象が多く見られました。

「どこをアピールしてよいかわからないのではないか」「自社の魅力をうまく言語化できないのではないか」といった仮説をチームで出しながら議論し、数パターンのテンプレートから選択してもらい、埋めれば求人が出来上がるというソリューションを考えました。テンプレートの内容は、普段現場の声をよく聞いていて、実際に求人作成も行っているビジネスサイドの方々からもアドバイスをもらって作成しました。

リリース後の計測で、テンプレートが利用されていることや、どのテンプレートがよく使われているかの傾向もわかってきたので、今後はさらに多様な求人に対応できるように改善していく予定です。

施策2「企業ロゴ画像アップロード改善」

サービスをご利用いただく地域企業のなかには、初めてインターネット上に採用ページを作るというケースも少なくありません。そのため、ページを作る際に適切なサイズの企業ロゴ画像を用意できないということが起こっていました。

求人作成セミナーでも、下記のような事象が見られ、不便をかけてしまっていました。

  • 文章は書けてもロゴ画像が設定できない
  • 不慣れなペイントツールで加工する
  • UIの問題で、選択されている画像がわかりづらい

そこで、私たちは、画像設定のフローをできるだけ減らして、楽にわかりやすく画像アップロードをできるような機能とデザインに変更しました。改善の前後を比較して、アップロード完了までのフローが2ステップ削減され、使い勝手もよくなりました。

施策3「求人の公開状態をわかりやすくする」

求人を作成したら、適切なタイミングで募集を止めたり、求人を非公開にする必要があります。こうしたステータス設定の機能では、UIのラベリングによって混乱が起こっていました。

日々開発に取り組んでいると、見た目を気にして簡素な文言にしてしまったり初見では通じない専門的な言葉を無意識に使ってしまいがちなこともあり、実際に利用されている現場を見ることでそのことに初めて気づくことも少なくありません。ターゲットユーザーに伝わる言葉選びを常に心がけなければいけないと感じています。

こうした例のように、プロダクトのグロースは、地味で細かい施策が多いように見えますが、リリースしてみると意外と多くのユーザーから反応があります。プロダクトの成功は一日にしてならず。重箱の隅をつつくようにして小さなことからひとつひとつ着実にこなしていくことが大切なのだと日々感じています。

おわりに

スタンバイ・カンパニーでは現在も、企業と求職者のより良いマッチングを目指して、求人ページや会社概要の質をさらに上げるために、課題抽出や仮説検証を進めています。

「雇用・採用の仕組みづくりから地域に活力を」

このミッションをもとに、ビジネス開発、エンジニア、デザイナーと職域を越えて議論し、みんなで同じ方向を向いて体験を設計できるので、私自身はとても魅力的な環境だと感じています。

これからもチーム一丸となって地域に活力を増す一助となれればと思います。