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「事例から学ぶ、デザイナーによる課題解決とは?」イベント開催レポート

こんにちは、デザイナーの戸谷です。

12月21日(木)に「事例から学ぶ、デザイナーによる課題解決とは?」というイベントを開催しました。

イベントでは、デザイナーを目指す学生の方に向けて、ビズリーチのデザイナーが、ビジネスの現場における「課題解決」にどのように取り組んでいるのかをお話させていただきました。このレポートでは、「ビズリーチ」「キャリトレ」「スタンバイ」というサービスに関わるデザイナー3名によるライトニングトーク(以下、LT)やパネルディスカッションの様子をお届けします。

何をデザインするかを考えるのもデザイナーの仕事

1人目のLTは、「何をデザインするかを考えるのもデザイナーの仕事」というタイトルで、梅林が発表しました。

梅林が携わっているのは、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」の、企業様向けのオンラインマーケティングです。マーケティングの仕事は、「商品を知ってもらい、買ってもらうこと」。ビズリーチの場合は、企業様にサービスを知っていただき、オンラインでお問い合わせをいただくことが、ひとつのゴールになります。

この LT では、その手段のひとつである、ランディングページ(以下、LP)を改善するうえで、「何をデザインすべきか」を仮説を立てて考え、「解決策を模索」し、「デザインで表現」したお話をさせていただきました。

① 本当に知りたい内容だろうか?

LP を作る際、サービスを提供する側が届けたい内容を一方的に載せてしまったり、情報の取捨選択で迷うことも多いかと思います。

今回ご紹介した事例では、普段お客様と直接関わっているセールスの担当者にヒアリングをし、実際にお客様に魅力に感じていただいている内容をきちんと把握したり、実際のお問い合わせが多い内容を確認して、LP に掲載していました。こうすることで、訴求内容が的外れなものになることを防げます。

② 情報量は適切だろうか?

どんな情報を載せるかが判断できても、伝え方を間違えてしまっては、台無しです。読んでもらえないだろうからと思い込んで情報を削りすぎたり、逆に、伝えたいことが多すぎて情報量が多くなってしまったりすることもあるでしょう。今回は、もし自分がサービスを利用する企業の担当者だったら?という仮説を立て、サービスの申し込み時にあったら嬉しいであろう情報を増やした事例をご紹介しました。

③ 見せ方は適切だろうか?

情報の内容についての改善が終わったら、最後は見せ方について。ボタンの大きさは適切だろうか?余白がつまりすぎて文字が見づらくないだろうか?コピーはちゃんと読んでもらえるように目立っているだろうか?など、様々な仮説を立てて見せ方を変えていました。

これらの3つの仮説をもとに、LP の改善を行なった結果、お客様の登録率をあげることができました。「課題解決には、デザインするまでのプロセスが大切」といった話に、学生のみなさんも真剣に耳を傾けてくださいました。

デザインをするのは、デザイナーの仕事のほんの一部であること。「何をデザインしなければならないか」を考えることもデザイナーの仕事であり、そこがデザイナーの面白さでもある、ということを感じられる発表でした。

抽象的な課題から本質的な課題を定義するデザイン

2人目の LT は、「抽象的な課題から本質的な課題を定義するデザイン」というテーマで、浅野が発表しました。

浅野が携わっているのは、若手のための転職サイト「キャリトレ」の、求職者様向けのオンラインマーケティングです。

ある日、浅野がキャリトレのデザイナーと話していると、「トップページがイケてないから変えたいよね」という話になったそうです。会話の表面上は、「イケてない、かっこよくない」が課題のように思えますが、「イケてる」って何だろう?と深く考えていくと、本質的な課題にたどりつきます。

今回の発表では、そんな浅野の実体験をもとに、表面上の課題を深掘りして言語化し、本質的な課題に落とし込み、キャリトレのトップページのリニューアルをしたお話をさせていただきました。

まず、浅野がとった行動は、チームメンバーへのヒアリング。「トップページのデザインを変えようと思っているけど、どう思う?」と相談してみたそうです。すると、「いいね! UI/UX は日々改善しているけど、正直トップページは手付かずなんだよね」といった回答が出てきたそう。ここで、「イケてない」と感じていたのは、「登録後に利用するサービス内の UI/UX の世界観と、トップページの世界観があっていない」という課題のことだった、ということに気づきます。

チームメンバーの次は、実際のユーザーに話を聞きました。キャリトレでは定期的に、キャリトレを使ってくださっているユーザーの方にインタビューを行なっています。そこで、最初にサービスに登録したときのことを質問してみたそうです。すると、

「最初、どういうサービスなのかがわからなかった」
「何ができるサービスなのかがわからなかった」
「サービスの使い方がわからなかった」

といった声が多数あることがわかりました。つまり、「イケてない」と思っていたトップページには、「サービスのコンセプトがユーザーに伝わっていない」という課題が隠れていたのです。

「UI/UX の世界観にあっていない」「コンセプトが伝わっていない」という2つの課題を本質的な課題と定義し、プロジェクトメンバーでアイデアを出しあい、リニューアルを行なった結果、ユーザーの登録率もあげることができたそうです。

はじめは抽象的な課題でも、様々なアクションを通して課題を発見・定義することで本質的な課題を導き出すこともデザイナーの仕事であり、本質的な課題にたどり着くまで考え続けることが大切である。ということがよくわかる発表でした。

プロダクトの未来を考える UX デザインの実践

3人目の LT は、「プロダクトの未来を考える UX デザインの実践」というタイトルで、私、戸谷が発表しました。

私が携わっているのは、求人検索エンジン「スタンバイ」のアプリデザインです。2015 年にリリースしたスタンバイのアプリですが、リリース後も機能追加を繰り返し、少しずつ変化を続けてきました。

こうした変化を繰り返すなかで、実際にどの機能がユーザーニーズを最も満たせているのか?そもそもユーザーが仕事探しにおいて課題に感じていることは何なのか?ということがチーム内で議論されるようになりました。こうした状況では、「何を目指して改善を行ったらいいのか道しるべがなく、チームが一体となってサービスを成長させることができない」ということも想定されます。

今回の発表では、こうした背景を踏まえ、UX デザインの手法を用いて、ユーザーのニーズを整理し、コンセプトを再定義したお話をさせていただきました。

UX デザインにおける、様々な手法やプロセスを用いて取り組んでいきましたが、まとめると下記の4点を中心に進めていきました。

  1. ユーザーはどういう行動をしている?
  2. ユーザーは何に価値を感じる?
  3. それを一言でまとめると?
  4. それを形にするとどうなる?

こうしたプロセスを経て、コンセプトを再定義し、デザインに反映した結果、ユーザーの方々がよりアクティブにアプリを使ってくださるようになりました。

今回お話したのは、「広義のデザイン」のお話でしたが、デザイナーは、ユーザー・事業の課題を、ときにはビジュアルでない手段を用いて解決し、より良い未来を創ることができる仕事だということを感じていただけたら、嬉しく思います。

なお、具体的な UX デザインの手法に関しては、このブログの下記の記事でまとめているので、ご興味ある方はこちらをお読みください。

事業に活かせるUXデザイン実践 リサーチ編
事業に活かせるUXデザイン実践 ToBe 編
事業に活かせるUXデザイン実践 検証編

パネルディスカッション

それぞれの発表のあとは、会場から質問を募り、LT を終えた3人が回答していくパネルディスカッションを開催しました。いくつかの質問と、回答をピックアップしてご紹介します。

Q. 今の仕事の面白みはなんですか?

浅野:私がビズリーチに入社したときは、従業員数が100人くらいだったんですが、いまは900人を超えるまでに増えています。会社が常に変化していているなかで、デザイナーに求められる役割も多様化していて、日々、新しいチャレンジを続けています。まだ何もないところに、自分たちが道を切り拓いて、新しい価値を考えたり作ったりしていきたい人にはすごく面白い環境だと思いますし、私はそれがすごく楽しいです。

梅林:作ること以外に、届けるために必要な知識やスキルも求められるので、自身の課題が常に尽きないことですね。コーディングスキル、デザインスキルはもちろん、ライティングや情報設計、時にはチームを動かす力も必要で、ゴールがないことが楽しいです。

Q. デザイナーという仕事に、今後、求められることはどのようなことだと思いますか?

梅林:私は前職まで制作会社に勤めていました。ビズリーチのような事業会社に転職してきて、ビジネスはチームで作っていくものなんだ、ということをより強く感じるようになりました。自分ひとりではできることも限られていますし、リリースまで辿りつくこともできません。みんなでいいものを作るための、チームワークはとても大切だと思います。

戸谷:最近感じているのは、課題解決をしたときに、それが継続的に価値を提供できるものなんだろうか、ということです。継続的に価値提供をするためには、お金を稼いでビジネスを継続していくことも必要です。デザインは、ビジネスやプロダクトと、それを利用してくれる人々の課題を接続して解決するための手段ですが、デザインという手段を強みとして持っていながら、ビジネスの視点と、ユーザーの視点を、両方もっていることも、デザイナーとして必要かなと思います。

Q. 課題解決に最適なデザインを思いついたり、これが本質的な課題である、と気づくようになるにはどういう訓練が必要ですか?

浅野:PDCA を繰り返すしかないと思います。最初から100点の回答を出せる人は、いないと思うので、誰しも、経験を積んで精度を上げていくのかなと思います。デザインって一生勉強だなと思います。

戸谷:これが本質的な課題だと気づく、というところに関していうと、さきほどの発表でもお話しした、「コンセプトテスト」が有用だと思います。すべて実装してから世の中に出そうとすると、労力も時間もかかりますし、方向性があっているかもわからないので、無駄になってしまうリスクがあります。

おわりに

パネルディスカッションのおわりに、このイベントでモデレーターを務めたデザイナーの高野から、こんなご挨拶をさせていただきました。

高野:新卒1年目の私からお話させていただくと、学生時代に本質的な思考に自信があっても、実際に仕事を始めると、考えが浅かったんだなと痛感することが多くありました。そういうときには、折れずに立ち向かうことが必要で、先輩やユーザーの意見を聞いてみて、自分の考えがなぜ、どう間違っていたかを知る。それを繰り返していくしかないのかなと思います。ビズリーチのデザイナーの、課題解決に対する取り組みを知っていただくことで、少しでもデザイナーという仕事に興味をもっていただくきっかけになれば、大変嬉しく思います。

また、イベント終了後にいただいたアンケートでは、下記のような声をいただきました。

「本質をあらゆる手段で捉えながら、終わりのない課題解決に向けて価値を提供することの難しさと面白さがあることに、大変感心をもちました。」
「狭義のデザインのみに焦点を当てず、ユーザー体験から考えるという取り組みやその具体例を伺えて、非常に学びになりました。」

イベントにご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

お知らせ

ビズリーチでは、この春、課題解決型のデザインを実践していただく、インターンシップイベントを開催します。今回のイベントで取り上げた事例のように、本質的な課題を探り、デザインという手段を用いて解決に導くことに取り組んでいただきます。

テーマは、日本の「地方課題」。ビズリーチで実際に「地方創生」に取り組むプロデューサーも参加します。詳細はこちらのページをご覧ください。ご参加、お待ちしております。